
天津の朝。シャングリラホテルの朝食会場は、ウェスティン北京よりも、どこか華やかで賑やかな印象を受けた。





娘のお目当ては、やはりオムレツらしい。具は何も入れず、プレーンなオムレツを丁寧に焼いてもらう。シャングリラのパンはなかなか侮れない。特にクロワッサンと丸パンは秀逸、ついつい手が伸びてしまう。ヨーグルトも濃厚で美味しく、普段は控えめにしているグラノーラを、気が緩んで多めに盛ってしまった。


腹ごしらえを終え、近くの市場へと足を運ぶ。早朝に収穫されたであろう、瑞々しい野菜や果物が所狭しと並べられ、活気に満ちている。その場で手際よく捌かれる肉の塊を見ているだけでも、一種のエンターテイメント。人々の息遣いや熱気が伝わってくる。


土産物を探して、ばら売りのお菓子を扱う店にも入ってみた。色とりどりのお菓子が山積みされ、見ているだけで心が躍る。これ大丈夫か?と思うようなキャラクターのお菓子もあり、ついついニヤニヤしてしまう。


昼食は、少し足を伸ばして新疆料理に挑戦してみることにした。とはいえ、メニューには伝統的な中国料理も並んでおり、地元の人々で賑わっている。異文化の料理に触れるのは、旅の醍醐味の一つだ。スパイスの香りが食欲をそそり、見慣れない食材が好奇心を刺激する。




食後には、中国茶の店にも立ち寄った。店員は、次から次へと様々なお茶を試飲させてくれる。「これはこんな味がする」「これは少し高いが、本当におすすめだ」と、まくし立てるような早口のセールストークも、どこか憎めない。お茶の奥深い世界に触れ、いくつか気に入った茶葉を購入した。





旅の最後の夜は、少し贅沢をして、個室で北京ダックを予約しておいた。目の前で手際よく捌かれる北京ダックは、料理というよりも一種のショーだ。パリパリの皮と、ジューシーな肉のコントラストがたまらない。

友人が食べたいと言っていた牛肉餅も注文してみた。自分も初めて口にしたのだが、肉の旨味が凝縮されていて、めちゃくちゃ美味い。
旅の最後の夜に、ゆっくりと語り合う時間を持てたのは、本当に良かった。色々な場所に連れ回してしまったけれど、この旅の記憶が、友人の心に残ってくれると嬉しい。
また、家族3人だけでも、北京をゆっくり巡りたい。